現代のピアニストとジャズピアノ — キーシン・ラン・ラン・辻井伸行・藤田真央・エヴァンス・キース・ジャレット
21 世紀のピアニズムは 3 つの潮流。 クラシックの現代世代 — キーシン (1971-)、 ラン・ラン (1982-)、 ユジャ・ワン (1987-)、 辻井伸行 (1988-)、 反田恭平 (1994-)、 藤田真央 (1998-)、 亀井聖矢 (2001-)。 ジャズピアノの並行系譜 — ビル・エヴァンス (1929-1980)、 セロニアス・モンク (1917-1982)、 キース・ジャレット (1945-)、 上原ひろみ (1979-)、 チック・コリア (1941-2021)。 YouTube・SNS・国際コンクール・音楽祭が織り成す 現代ピアノ音楽。 300 年の系譜を 総括し、 piano シリーズを 完結する。
21 世紀のピアノ音楽 — 3 つの 潮流
前記事 [20 世紀の名ピアニスト] の 巨匠世代の後、 21 世紀の ピアノ音楽は 3 つの 潮流に:
- クラシック現代世代 — 20 世紀に続く 「純クラシック」 の 若手たち
- ジャズピアノ — 並行して 20 世紀に発展した 「アメリカ音楽の 最高峰」 の 系譜
- クロスオーバー — ジャズ・クラシック・ワールドミュージックの 融合
このうち、 ジャズピアノは 独立した 芸術 として、 前記事までの クラシック系譜と 並行して 存在。 本シリーズ 最終記事で 両者を 総括。
クラシック現代世代 — 21 世紀の 名手
エフゲニー・キーシン (Evgeny Kissin、 1971-)
ソ連・モスクワ生まれ、 現代の 「神童」 の 代表。
- 1984 年 12 歳 — モスクワで ショパン 2 つの ピアノ協奏曲を 一晩で、 世界的センセーション
- 1985 年 14 歳 — 全ソ連ラジオで [チャイコフスキー 協奏曲第 1 番]、 「20 世紀最後の 神童」
- 1990 年 米国デビュー (カーネギー・ホール)
- 現代 (2020 年代) — 世界的な ロマン派ピアニスト
技巧的完璧性、 深い 音楽性、 前記事の ホロヴィッツ・リヒテルの 直接後継。 ショパン、 リスト、 ラフマニノフ、 ベートーヴェン が 主要レパートリー。
ラン・ラン (Lang Lang、 郎朗、 1982-)
中国・瀋陽生まれ。 世界的な スーパースター、 中国の ピアノブームの 象徴:
- 1997 年 15 歳 — カーティス音楽院 (フィラデルフィア) 入学
- 1999 年 17 歳 — シカゴ・ラヴィニア音楽祭で アイザック・スターン欠場代役、 一晩で 世界的スター
- 世界ツアー、 大量録音、 グッズ販売、 教育活動
- 中国のピアノ・ブーム の 火付け役 — 中国のピアノ学習者は 数千万人
「クラシック界の エンターテイナー」、 賛否両論だが 現代ピアニストの 最も 知名度高い一人。
ユジャ・ワン (Yuja Wang、 王羽佳、 1987-)
中国・北京生まれ。 ラン・ランの 5 歳下、 カーティス音楽院 卒。
- 技巧的完璧性、 極めて 速いテンポ
- 短いドレスの ステージ衣装 で 話題
- プロコフィエフ、 ラフマニノフ、 スクリャービン の 傑作演奏
- キャラバン ツアー、 世界的名声
辻井伸行 (つじい のぶゆき、 1988-)
東京生まれ、 全盲のピアニスト。 21 世紀日本の 音楽的英雄:
- 1988 年 9 月 13 日 — 誕生、 先天性全盲
- 7 歳 — ジャクソンビル・ピアノコンクール ジュニア部門優勝 (全盲部門ではなく 一般部門)
- 2009 年 — ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール 優勝、 20 歳、 アジア人・視覚障害者の 初優勝
- 現代 — 世界的な 演奏活動、 「タッチと 記憶力」 の 天才
楽譜が読めない (点字譜も 使わず)、 録音を 聴いて 記憶 で 演奏。 前シリーズ [数学の系譜] の オイラー (両眼失明) に 対応する、 障害を 超えた 才能。
反田恭平 (そりた きょうへい、 1994-)
札幌生まれ。 2021 年 ショパン国際コンクール 2 位、 日本人男性で 半世紀ぶり。 演奏だけでなく 音楽事務所 (Japan National Orchestra) を 経営する 現代の音楽家。
藤田真央 (ふじた まお、 1998-)
東京生まれ。 2019 年 チャイコフスキー国際コンクール 2 位、 その後 世界的な 演奏活動:
- モーツァルト、 ショパン、 ラフマニノフ、 メシアン の 幅広い レパートリー
- 2022 年 モーツァルト・ピアノ・ソナタ全集 CD、 Deutsche Grammophon
- 柔らかい タッチ、 澄明な 音楽性
- 現代日本ピアニズムの 最高峰
前記事 [ラフマニノフ・スクリャービン] で 藤田の [スクリャービン] にも言及。 21 世紀日本の 音楽的希望。
亀井聖矢 (かめい まさや、 2001-)
愛知生まれ。 2022 年 ロン=ティボー国際コンクール 優勝。 10 代から 世界的名声、 21 世紀の 若い日本人ピアニストの一人。
その他の 現代若手
- ダニール・トリフォノフ (Daniil Trifonov、 1991-) — ロシア、 チャイコフスキー・コンクール 2011 優勝
- セオン・ジン・チョー (Seong-Jin Cho、 조성진、 1994-) — 韓国、 ショパンコンクール 2015 優勝
- ヤン・リシエツキ (Jan Lisiecki、 1995-) — カナダ、 早熟の 才能
- アレクサンドル・カントロフ (Alexandre Kantorow、 1997-) — 仏、 チャイコフスキー・コンクール 2019 優勝
- ブルース・シャオユ・リウ (Bruce Xiaoyu Liu、 劉曉禹、 1997-) — カナダ、 中国系、 ショパンコンクール 2021 優勝
日本のピアノ文化 — 世界一の 「愛好家国」
日本は 世界一の ピアノ愛好家国 と 言われる:
- ヤマハ・カワイ が 世界的な ピアノメーカー (前々々記事 [鍵盤楽器の進化] 参照)
- ピアノ習得者数 — 世界最多クラス
- ショパン愛 — ショパンコンクールの 視聴者数、 日本が 圧倒的
- 日本の 音楽祭 — ラ・フォル・ジュルネ、 別府アルゲリッチ、 セイジ・オザワ 松本、 浜松国際ピアノコンクール
「日本の ピアノ愛」 は 現代の 世界的 現象。
ジャズピアノの 系譜 — 20 世紀の 並行史
ジャズピアノ は クラシックと 別の 系譜で、 20 世紀に発展。 主要な 進化:
1900-1920 年代 — ラグタイム
- スコット・ジョプリン (1868-1917) — [メイプルリーフ・ラグ]、 [エンターテイナー]
- 左手の 規則的な 「ストライド」、 右手の シンコペーション
1920-1940 年代 — ストライド、 スイング
- アート・テイタム (1909-1956) — 「ジャズピアノの 神」、 圧倒的技巧
- カウント・ベイシー (1904-1984) — スイング・ジャズ
- アール・ハインズ (1903-1983) — 「トランペット・スタイル」
1940-1960 年代 — ビバップ、 ハード・バップ
- セロニアス・モンク (Thelonious Monk、 1917-1982) — 独自の 不協和音、 「ジャズの クレイジー・ジニアス」。 [ラウンド・ミッドナイト]、 [ウェル・ユー・ニードント]
- バド・パウエル (Bud Powell、 1924-1966) — ビバップの 中心
- オスカー・ピーターソン (Oscar Peterson、 1925-2007) — カナダ、 技巧派
1950-1970 年代 — モード、 ポスト・バップ
- ビル・エヴァンス (Bill Evans、 1929-1980) — 「ジャズピアノの ショパン」、 詩的
- マッコイ・タイナー (McCoy Tyner、 1938-2020) — ジョン・コルトレーンの 相棒
- ハービー・ハンコック (Herbie Hancock、 1940-) — マイルス・デイヴィスの 相棒、 電子ジャズ
1970-1990 年代 — フュージョン、 ソロ
- キース・ジャレット (Keith Jarrett、 1945-) — [ケルン・コンサート] (1975) で ジャズピアノの 神格化
- チック・コリア (Chick Corea、 1941-2021) — フュージョン、 [リターン・トゥ・フォーエヴァー]
- アーマド・ジャマル (1930-2023)
現代 (2000-)
- 上原ひろみ (Hiromi Uehara、 1979-) — 日本、 世界的な ジャズピアノ・スター
- ブラッド・メルドー (Brad Mehldau、 1970-) — 米、 バッハ・ジャズの融合
- ジャコブ・コリアー (Jacob Collier、 1994-) — 英、 マルチプレイヤー、 音楽理論の天才
- 上原ひろみ — 日本、 世界最大の ジャズフェスに 招聘
ビル・エヴァンス — 「ジャズピアノの 詩人」
ビル・エヴァンス (William John Evans、 1929-1980) は、 米国ニュージャージー生まれ。 ジャズピアノ史の 中心人物 、 51 歳、 薬物依存の合併症で死去。
生涯
- 1929 年 8 月 16 日 — 誕生
- 1956 年 米国デビュー
- 1958-1959 — マイルス・デイヴィス・セクステット に 一時 加入、 [カインド・オブ・ブルー (Kind of Blue)] (1959) に 参加 — ジャズ史上最重要アルバムの 一つ
- 1959-1961 — ビル・エヴァンス・トリオ (with スコット・ラファロ ベース、 ポール・モチアン ドラム) — ジャズ史上最も 有名なトリオ
- 1961 年 6 月 — [ワルツ・フォー・デビィ]、 [サンデイ・アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード] ライブ録音、 10 日後にラファロが 自動車事故で 死去 (25 歳)
- 1961-1980 — 複数のトリオで 演奏、 薬物依存悪化
- 1980 年 9 月 15 日 — NY で薬物合併症死、 51 歳
音楽的貢献
- モード・ジャズ — マイルスと共に、 コード進行ではなく モード (旋法) に基づく 即興
- 「トリオの 民主化」 — ピアニスト・ベーシスト・ドラマーが 対等な会話 で 演奏
- 前記事 [ドビュッシー・ラヴェル] の フランス印象派の 和声 (9・11・13 の和音) を ジャズに導入
- 柔らかい タッチ、 詩的な 表現
スコット・ラファロ (1936-1961)
ベーシスト。 エヴァンスとの 詩的な 対話 で ジャズ史を変える。 1961 年 7 月 6 日、 25 歳で 自動車事故死。 エヴァンスは 深い 悲嘆、 数ヶ月 演奏を 止める。
セロニアス・モンク — 「ジャズの クレイジー・ジニアス」
セロニアス・スフィア・モンク (Thelonious Sphere Monk、 1917-1982) は、 米国ノースカロライナ生まれ。 ジャズ史 最も 個性的な 作曲家・ピアニスト:
特徴
- 不協和音、 意図的な 「間違い」
- 独特の リズム、 突然の 停止
- 踊りながら 演奏 (立ち上がる ことも)
- 無数の ジャズ・スタンダード を 作曲
主要作
- [ラウンド・ミッドナイト (Round Midnight)] — 世界最もジャズ演奏される スタンダード
- [ウェル・ユー・ニードント]
- [ストレート・ノー・チェイサー]
- [エピストロフィー]
現代の ジャズピアニストの 標準レパートリー。
キース・ジャレット — 「即興の 巨匠」
キース・ジャレット (Keith Jarrett、 1945-) は、 米国ペンシルベニア生まれ。 ジャズと クラシックの 両側で 世界的:
- 1960 年代 — マイルス・デイヴィス 楽団
- 1970 年代 — チャールズ・ロイド、 スタン・ゲッツ
- 1970 年 —「アメリカン・カルテット」、 「ヨーロピアン・カルテット」
- 1980 年代 — 「スタンダーズ・トリオ」 (ゲイリー・ピーコック、 ジャック・ディジョネット) — 22 年間 続く
[ケルン・コンサート] (1975 年 1 月 24 日)
ドイツ・ケルンオペラハウスでの 完全即興 ソロ・ピアノ・コンサート。 1 時間の 即興、 世界的な 大ヒット CD。 ジャズピアノの 神格化 の 象徴。
バッハ演奏
1980 年代以降、 ジャレットは バッハ [平均律]、 [ゴルトベルク]、 [フランス組曲] など クラシックを 大量録音。 「ジャズとクラシックの 橋渡し」。
- 1990 年代 — 慢性疲労症候群 で 数年 活動停止
- 2018 年 — 脳卒中、 半身麻痺、 引退
80 歳を目前に、 現代ジャズ最高の 巨匠の一人。
チック・コリア (1941-2021)
マサチューセッツ生まれ。 フュージョン・ジャズの 代表:
- 1968 年 — マイルス・デイヴィス [Bitches Brew]
- 1970 年代 — [リターン・トゥ・フォーエヴァー] — フュージョン
- [スペイン (Spain)] — ジャズ・スタンダード
- 数多くの グラミー賞 (25 回)
2021 年 2 月 9 日 — 癌で死去、 79 歳。
上原ひろみ (Hiromi Uehara、 1979-)
日本・静岡生まれ。 21 世紀 日本の ジャズピアノ・スター:
- バークリー音楽大学 (ボストン) 卒業
- チック・コリア に 認められ 世界的デビュー
- [Another Mind] (2003) — デビューアルバム、 世界的ヒット
- 技巧的、 熱烈、 クラシック的な緻密さ + ジャズの 自由
- クロスオーバー音楽の 現代的代表
ジャコブ・コリアー — 「音楽の 全能」
ジャコブ・コリアー (Jacob Collier、 1994-) は、 英国ロンドン生まれ。 21 世紀の 音楽的天才:
- YouTube 出身 — 自宅で 一人で 撮影、 世界的名声
- マルチプレイヤー — ピアノ、 ヴォーカル、 ベース、 ドラム、 弦楽器
- 極めて 複雑な 和声・リズム — マイクロトーン、 変拍子
- 5 つの グラミー賞 (30 歳前に)
- クインシー・ジョーンズ に 「私が 見た 最も 才能ある 音楽家」
「音楽理論・ジャズ・クラシック・ポップ の 融合」 の 現代的 代表。
ジャズとクラシックの 対比
| クラシック | ジャズ | |
|---|---|---|
| 記譜 | 精密な 楽譜 | コード進行 + 即興 |
| 演奏 | 「作曲家に忠実」 | 「即興が主役」 |
| リズム | 拍子・テンポの 楽譜通り | スイング、 リズムの 自由 |
| 和声 | 機能和声 中心 | 拡張和音、 テンション |
| 主役 | 作曲家 | 演奏家 |
| 形式 | ソナタ形式・変奏 等 | ヘッド + ソロ + ヘッド |
「作曲家中心 vs 演奏家中心」 の 20 世紀対比。 だが 21 世紀は 境界が溶解、 「クラシックのピアニストが ジャズを弾く」 「ジャズピアニストが バッハを弾く」 が普通。
クロスオーバー — 21 世紀の 潮流
- バッハとジャズ — キース・ジャレット、 グレン・グールド (バッハ純粋)、 ジャック・ルーシエ (バッハ・ジャズ編)
- ミニマルと ピアノ — マックス・リヒター、 リュドヴィコ・エイナウディ、 二コラ・ヤール
- 世界音楽 — ダニロ・ペレス (パナマ)、 タイグルス・オカルテ (南米)
- ゲーム音楽・アニメ・映画 — 久石譲、 坂本龍一、 植松伸夫、 澤野弘之、 ハンス・ジマー
「純粋な クラシック」 と 「純粋な ジャズ」 の 中間の 広大な領域が、 21 世紀の 主戦場。
YouTube・SNS 時代の ピアニスト
2005 年 YouTube 開始 以降、 ピアニストの 世界的普及に 革命:
- 辻井伸行、 藤田真央、 反田恭平 — ヴァン・クライバーン・ショパン・チャイコフスキー コンクールの YouTube 中継 で 世界に
- リサ・パピック、 ジェイ・パーク、 ヴァレンティーナ・リシツァ — YouTube から 世界的活動
- 1 日 数千万再生 — 名演の 拡散速度
- 教育 — ラン・ラン、 藤田真央の マスタークラス動画
「YouTube で 世界に 見つかる」 21 世紀ピアニストの 新モデル。 前記事 [20 世紀の名ピアニスト] の 「LP・CD 時代」 と 対比。
AI と ピアノ — 21 世紀後半の 課題
前シリーズ [数学の系譜] の タオ (AI と数学) と 対応:
- AI 作曲 — GPT ベースの 作曲、 Suno、 Udio (2024-)
- AI 演奏 — Yamaha Disklavier で 名ピアニスト演奏を 再現
- AI が 「バッハ風」 「ショパン風」 の 新曲を 生成
- 人間ピアニストとの 共演 — ライブ
「人間の 感情表現 vs AI の 完璧な模倣」 — 21 世紀の テーマ。 音楽の 未来。
現代 ピアノ・コンクール
主要な 国際コンクール:
- ショパン国際 (ワルシャワ、 1927-、 5 年に一度)
- チャイコフスキー国際 (モスクワ、 1958-、 4 年に一度)
- ヴァン・クライバーン国際 (テキサス・フォートワース、 1962-、 4 年に一度)
- エリザベート王妃国際 (ブリュッセル、 1937-)
- ロン=ティボー国際 (パリ、 1943-)
- ブゾーニ国際 (ボルツァーノ、 1949-)
- リーズ国際 (英、 1961-)
- 浜松国際 (日本、 1991-)
- 仙台国際 (日本、 2001-)
各コンクール優勝者が、 世界の 名ピアニストとして 活動。 「コンクール制度」 が 20-21 世紀のピアニスト職業の 基盤。
300 年の 総括 — ピアノシリーズ 完結
ピアノシリーズ 11 記事 は、 1700 年 クリストフォリ から 2020 年代 藤田真央・亀井聖矢 まで、 300 年の 系譜 を 辿った:
- 1700-1770 — [01 鍵盤楽器の 進化] — クリストフォリの発明、 ジルバーマンの改良
- 1685-1750 — [02 バッハと 鍵盤音楽] — チェンバロの頂点、 ピアノとの 出会い
- 1750-1810 — [03 モーツァルト・ハイドン] — 古典派ピアノの 黄金時代
- 1770-1827 — [04 ベートーヴェン] — 32 のソナタ、 楽器の限界を超える
- 1810-1849 — [05 ショパン] — ピアノの詩人、 パリのサロン
- 1811-1886 — [06 リスト] — ピアノの魔術師、 リサイタルの発明
- 1810-1897 — [07 シューマン・ブラームス] — ドイツ・ロマン派の 内省
- 1862-1937 — [08 ドビュッシー・ラヴェル] — フランス印象派の 色彩
- 1872-1943 — [09 ラフマニノフ・スクリャービン] — ロシア・ロマン派の 最終形
- 1903-1997 — [10 20 世紀の名ピアニスト] — 録音時代の 巨匠たち
- 1929-2025 — [11 現代・ジャズピアノ] — 21 世紀の ピアニズム
楽器・作曲家・演奏家 の 三位一体
overview で 提示した 楽器・作曲家・演奏家 の 三者関係は、 300 年を通じて 常に 更新:
- 楽器の進化 が 新しい 作曲を可能に し
- 新しい作曲 が 演奏家の 挑戦を生み
- 演奏家の 挑戦 が 楽器の 改良を要求
現代のピアノ (スタインウェイ・ベーゼンドルファー・ヤマハ・カワイ・ファツィオーリ) は、 バッハ・モーツァルト・ベートーヴェン・ショパン・リスト・ラフマニノフ、 そして ホロヴィッツ・グールド・アルゲリッチ・藤田真央 らの 蓄積された 要求と 挑戦の 結晶。
300 年で 変わったこと
- 楽器 — 5 オクターブ から 88 鍵、 木製枠 から 鋳鉄フレーム
- 作品数 — 数百 から 数十万曲
- 演奏場所 — サロン から コンサートホール から YouTube
- 観客 — 貴族 から 市民 から 世界
- 教育 — 私設 から 音楽学校 から オンライン
- 記録 — 楽譜 から SP から CD から ストリーミング
300 年で 変わらないこと
- 10 本の指 で 88 鍵を 弾く
- 「一人で オーケストラ」 を 弾く 楽器
- ピアニストの 生涯を かけた 修行
- 一つの 演奏に 集中する 聴衆
- 音楽で 心を 動かす という 根源的な 芸術
「ピアノは 未来も、 人類の 中心楽器で あり続ける」 — 300 年の 系譜が 保証する。
piano シリーズ 完結
このシリーズは overview + 11 記事 = 12 コンテンツ で、 300 年の ピアノ史 を 辿った。
読者へ:
- まず 一曲、 好きな作曲家 を 見つける — バッハ [ゴルトベルク]、 モーツァルト [ソナタ]、 ベートーヴェン [月光]、 ショパン [ノクターン]、 リスト [愛の夢]、 ドビュッシー [月の光]、 ラフマニノフ [協奏曲 2 番]、 グールド [ゴルトベルク 1955]、 アルゲリッチ [ショパン協奏曲]、 藤田真央 [モーツァルト] のどれか
- 世界のピアニスト を 聴き比べる — 同じ 曲を、 異なる時代・国籍の ピアニストで
- ライブ演奏に 行く — 録音とは 別次元の 体験
- 自分で 弾いてみる — ピアノは 一人で 学べる 楽器の 代表
- ショパンコンクール、 チャイコフスキー・コンクール の YouTube 中継を 見る — 世界の 若い才能の 発見
「ピアノ 1 台と 10 本の指で、 300 年の 音楽史 全体に アクセスできる」 — ピアノの 特殊な位置。
piano シリーズ 完結。 300 年の 静かなる 対話を、 ここに 終える。